佐保井(さぼい)地区

【酒質】
一番虫が多く食害により柑橘のような風味が出る、味わいの多様性に富んだ酒質になります。


白石さんの自社畑の中で、いちばん古く、また蔵から一番近い畑です。

高台の上にあり、水はけの良い砂地の土地で、
10年前程前に地元の業者さんと協力して開墾。
それから1度も除草剤や農薬を使っていないため、
白石さんたちが理想とする生物豊富な畑に近づいているとのこと。
つまり白石さんの畑の中でも最も虫による食害が出やすい区画。
さつまいもは、虫害などのストレスを受けると
防衛反応としてテルペン類などの香気成分を増やします。
それが結果として、人には柑橘の皮やハーブのような香りとして感じられることがあります。
一般的な芋焼酎の造りでは、
この「虫食い由来の香り」はネガティブに捉えられ、
原料選別の段階で虫食い部分は切り落とされることがほとんどです。
しかし白石さんは、
虫食いの香りも畑が発する大切な情報と捉え、
むしろそれを肯定的に受け止め、焼酎造りに活かします。
個人的には、この佐保井地区の焼酎こそが、
「天狗櫻」という銘柄の“おもしろさ”と“美味しさ”を多面的に体現している畑ではないかと思っています。
白石さんとの会話で印象的だったのは、『畑仕事に奇跡は起きない』という事。自然の摂理に逆らわず、自然と対話するように畑と向き合っているからこそ、さまざまな苦悩や喜びを畑から体感されているのだと思います。

写真は植え付けた直後の黄金千貫です。
しなしなに見えますが、明日以降の天気予報は雨。数日後にはピンッと根を張った苗が見れる事でしょう。
